人間や動物の身体内部を見るためには、外科手術で身体を開く必要があります。一方、外科手術なしで身体内部を可視化する方法としてCTやMRIが用意されています。CTはx線を、MRIは磁気を利用した断層診断です。
翻って、地盤や岩盤の内部を可視化することは可能でしょうか。外科手術の如く内部を直接見るためにはボーリングが有効ですが、対象範囲が広い場合は複数削孔しなければなりませんし、ボーリング孔が無いところは想像するしかありません。地下の状態とは、割れ目の存在や脆さ度合い、さらには地下水分布になります。それが幾何学的な分布として捉えられます。この分布が即不健全では無く、掘削や地震による力学的変化で不安定になります。
地盤内部の割れ目の活動を検査する方法の一つに音を利用する方法があります。この技術はアコースティック・エミッション(Acoustic emission:AE)と称され、2026.6.2のトピックスで解説済みです。CTやMRIと異なり、地盤や岩盤内での変形が生じた事象を評価しますので、能動的な技術です。
私は、この技術を長年研究し、トンネルや地下空洞の掘削周辺に発生する「ゆるみ」を高精度に評価する技術を開発し実用化しています。